ご挨拶

“リアルワールドデータを構築し明日の医療を支援する会”は産官学の連携促進によりカテーテル治療を中心とした循環器領域の情報発信を目的として出発したNPO法人です。産官学による平場での議論、を行い、リアルワールドデータの利活用を進め、停滞しつつある我が国の循環器医療を再活性化させていきたいという思いを胸に活動しています。発足以来様々な取り組みを進めてまいりましたが、これからもby doing の精神で歩みを止めないよう邁進してまいります。ここで活動の背景と内容の一部を紹介させていただきます。

産官学連携は一般的な概念として浸透しておりますが、その実践では越えなければならない多くのハードルが存在しております。その障壁を乗り越えるためには（1）現在の医療、医療機器をめぐる現状と課題のあぶり出し、（2）意見交換と認識の共有、（3）課題の解決に向けた取り組み、が必要だと考えます。我々が定期的に開催している「あすなろ会」は、いままでは異文化であった産官学それぞれの視点からの課題を一つの場でまとめ、医療界に新たな文化を創出する試みです。

医療、特にイノベーションが盛んな医療機器については、情報の迅速化、膨大化、氾濫が取りざたされております。時間の効率化が重要となる医療従事者がより効率的にインターベンション領域を中心とした情報収集ができるよう、我々が2019年に開設しました情報サイトREALはデザインされています。トップランナーの先生方の意見や論文の紹介をはじめ、注目の話題についての座談会、企業トップへのインタビューなど、通常なかなか触れることのできない話題が満載です。タイムリーに最新の情報を得る場として、現場におけるニーズ抽出、情報交換の場として情報サイトを発展させ多くの方に活用いただきたいと思っています。

リアルワールドデータの利活用といってもその意味するところがすべての方々に理解されているというわけではありません。しかし、今後のキーワードであることは間違いなく、既に世界はこの方向に歩み始めていますし、出遅れていると言われている日本もこの流れに乗って科学を一つ上のステップに引き上げていかないといけません。産官学で意見を交換しながら本邦で何ができるのかを言語化することによって、有益なリアルワールドデータ創出に参画したいと考えています。

現在の特定非営利活動法人“リアルワールドデータを構築し明日の医療を支援する会”は今後数多くのチャレンジをしてまいります。そのためには多くの方のご協力、ご支援が不可欠です。忌憚のないご意見をお寄せください、心よりお待ちしています。